売れる王道を作りたい

今週末、いよいよ舞台屋アホロ『インクに願いを』が本番を迎える。今回の企画では、本当に色んなことがあった。まだ終わってないけど、終わったら経過は達成感で洗い流されてしまうからその前に記録。

コンセプトについて

舞台屋アホロのコンセプトは「笑い8割、感動2割のアホ・ロマン・エンターテイメント」です。コンセプトとは何のためにあるのか。ぶっちゃけ、意識高いビジネスマンが語る「座右の銘」とか2月にはすっかり忘れてる「新年の抱負」と同じようなもので、あんなのはあってもなくても具体的には支障ないのではないかと思ってた。でも今回、あれの意味が少しわかった気がする。要は「メモ」だ。立ち上げ当初、アホロがやりたいと思っていたことを、何年も続けていく上で忘れないように原点に立ち返り初心を思い出すためのメモ。

例えば学内でのチケット売りやツイッターなどで口うるさく「笑い8割、感動2割」と言っていたら、リハーサルを終えた後の反省会で「コンセプトであるはずの笑い8割、感動2割がいまは出来ていないと思います」という意見が飛び出る。こういう意見が1年生から出てくると、目指してるものを共有できているんだな、と安心する。

学生団体ではこのコンセプトがあやふやだとそれにまつわる議論が巻き起こる。それも大抵、本番間近のリハーサルを終えた後などに巻き起こる。「そもそも僕たちは何をやりたかったのか」を忘れないためにコンセプトはある。そしてアホロみたいに学生スタッフで成り立っている若い団体において大切なのは、そのコンセプト自体に引き寄せられて人が集まっていること。アホロの根っこをみんなで共有出来ていること。

アホとロマンについて

アホ・ロマン・エンターテイメントという後半の長いコンセプト文。ややわかりにくいけど個人的には腹落ちするところがある。
アホはバカバカしさ。くだらないコメディ。高尚な芸術作品ではなく、あくまでこれは暇つぶしがゴールの娯楽ですよ、というスタイルを示す二文字。
ロマンは夢(のある話)。ロケットで宇宙で行くような、男の(女の)ロマン。ちゃんとハッピーエンドで終わりますよ。という意味も込めてるつもり。

つくっているのは芸術作品ではなく商業サービス

個人的に、アホロでは「おもしろいものを量産する」という考え方を持っている。隠れコンセプトとして設定したい。演劇をとにかく広めたい。ハードルを下げたい。一般社会における市民権を得たい。映画と同じくらい普通の娯楽として、土日に遊びに行く場所の選択肢として上がりたい。というのも、王道をやる楽しさはそこにある。つまり業界の裾野を広げること。一般的に演劇=よくわからない、恥ずかしい、サブカル、ちょっとイタイというイメージがあると思う。これを打破する「普通に面白い演劇」を作りたい。アホロは「演劇を初めてみた人」でも楽しめるものを作りたい。初見の人をはじくような作品が多いような業界が社会に広まるはずはないから。

アホロの作品は全て芸術作品ではなく商業サービスの一つだと考えてる。展示会場で絵画を見るというよりも、美容院に行って髪を切る感覚に近づけたい。「あそこに行ってお金を払えばこれが手に入る」という簡単な約束を果たせる団体になりたい。純粋に面白い時間を提供できればいいと思う。

そんなふうに思ってたはずなのにそれを今回、忘れていた。今回の戯曲を書いている中で、ある事件があった。

最初は自分が書きたかった脚本を書いた。今までのアホロよりも本筋が濃く、笑いシーンよりもストーリーの流れを重視した脚本。大好きなディズニーのシナリオ構造に落とし込んだ上でアホロの世界観を詰め込んだつもりだった。個人的には大成功のつもり。でもそれを練習し、リハーサルをしてみたらそれは「笑い8割、感動2割」になっていなかった。アホロのメンバーにも「アホロっぽくない」と低評価。悩んだ結果、大幅に書き換えた。アホロは、今の自分がやりたいことをやる場所じゃない。最初に立ち上げた時に自分がやりたかったことをやり続けるための場所だ。それをやるために今のメンバーはここに集まっているはずだ。最初に決めたコンセプトがあり、それに忠実に作るべきだ。でなければアホロに新しく入ったメンバーも、今回来てくれるお客さんも騙すことになる。違うことをするなら団体の名前を変えるべきだ。

今回はそういうことを学んだ。でもやっぱり少し寂しくもあるので、没になった脚本を今回、本番で上演した脚本とセットにして戯曲集としてグッズ販売することにした。こんな表紙になる予定です。

scripth1

ちなみに表紙のビジュアルは8月につくっていたティザー広告を修正したもの。あの当時、頭の中にあったボツ戯曲も入ってるよということで・・ボツが世に出るのはありがたや。興味がある人はぜひ手にとって読んでみて下さい。10月29日〜31日9号館309教室前にて販売しています。グッズは戯曲集以外にもアホロ缶バッジ、アホロステッカー、ポスター、

【次回公演】

舞台屋アホロ『インクに願いを』

「魔法は納品できないよ・・」
まだアニメが物珍しい時代。ある貧乏作家の絵が本当に動き出した。これをなぞって絵を描けば世界一のアニメーターになれる!しかし絵は言うことを聞かない。動くアニメを描くために、アニメを止まらせる戦いが今始まる!舞台屋アホロが贈る、アホ・アニメーション・エンターテイメント!

日時:10月29日(土)〜31日(月)(武蔵野美術大学芸術祭)
場所:武蔵野美術大学9号館309教室

公式サイト→http://butaiya-ahoro.com
当日チケット予約→https://ticket.corich.jp/apply/77457/

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする