役者にやってほしいこと

ふと書きなぐったものをメモ。舞台をやっていて、自分が主催している団体の役者にやってほしいと思うこと。

うまい役者にならなくてもいいので、魅力的な人間になって欲しい。

とにかく人生経験を増やして欲しい。

大恋愛して、めっちゃ好きな人に片思いして、結ばれて、すごい幸せを感じて、浮気して、別れて、後悔して欲しい。

ものすごい恥ずかしい経験してほしい。目も向けられないようなイタイ友達を軽蔑して、その逆の立場になってしまったりしてほしい。友達に心の底から心配されて、「最近のお前、ちょっとおかしいよ」とか言われて、人を傷つけて、目が冷めて、みじめな自分を見つめて欲しい。

悪いことをして、絶対にバレたくないと思っていたことを、そばにいる人に優しく見抜かれて穴があったら入りたい気持ちとか感じてほしい。

自分は本当にどうしようもないやつだと自暴自棄になって、助けてくれようとしている友達にも牙を向けてトゲトゲして、見放されて、でもやっぱり手を差し伸べてくれた人の手をとってみたりしてほしい。

今まで感じたことのないような難易度のものにぶち当たって、途中で何度も挫折しそうになるけど、友達と励ましあって最後まで諦めずに挑戦し続けて、大成功させて、打ち上げで心から泣けて笑えるような経験をしてほしい。

人の上に立ち、人に指示することの難しさを感じ、言うことを聞いてくれず信頼も得られず、離れていく仲間もいる中で自分を信じてくれた仲間に報いることができるゴールにたどり着いて欲しい。

心から尊敬できる人間と出会い、その人からたくさんのものを吸収し、全く新しい世界が世の中に広がっていることを感じて欲しい。

目標のために体力の限界と戦い、何日も徹夜して、栄養ドリンクがぶ飲みして、夜中に寝そうになる自分にムチを打って、迎えた朝方、経験したことのない達成感を感じて欲しい。

10年後、20年後になっても多分忘れない恥ずかしい経験、苦しかった経験、嬉しかった経験、人生を通して酒のつまみに笑いながら話せる最高の「ネタ」を増やすこと。それが魅力的な人間になるということ。

役者として演技する時、その登場人物は大抵の場合、魅力的な人間である。自分が魅力的な人間であればあるほど、色んな人の気持ちがわかる。登場人物の気持ちが理解できる可能性が高まる。だから、役者はセリフを覚えたり、仕草のバリエーションを増やすことよりも、色んな種類の、濃い人生経験をたくさんして、理解できる気持ちのストックを増やすことの方が大事。

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