月別アーカイブ: 2017年1月

演劇の演出はデザインに似てる

こんにちは!歯間ブラシが大切です!ガストンです!

こないだ、演劇の演出のワークショップというものに参加してきました。そこで「演出」と「デザイン」が似てるっていうかほぼ一緒なんじゃね、むしろ演出はデザインなんじゃねって思いました。

ワークショップについて詳しくはコチラ。ぼくは演劇の脚本を書いたり演出をしたりしているのですが、演出というものが具体的に何をする仕事なのか、このワークショップでとてもよくわかりました楽しかったです。楽しかった以外の部分については上のリンクを読んで下さい。

演出って何か

もうびっくりするくらい演出というものが何なのかわかったからこれから解説するね!?みんな!演出家って知ってる!?セリフがあって、役者がそれを読めば演劇は出来上がるんだけど、そのときに稽古場で「言い方もっとこう!」とか、「体の動かし方はこう!」とか「照明はこう!」「音楽はこう!」って指示を出す人だよ。映画でいう監督だよ。役者・衣装・舞台・照明・音響あらゆる舞台上の出来事をいい感じにする偉い人のことだよ。少なくとも今までのガストンはそう思っていたよ。ガストンは今まで演出というものを「なんかいい感じにすること」だと思ってたのね。シーンをかっこいい感じにしたり、コメディだったら面白い感じにしたりすること。

そしたら全然違ったわ。

今回のワークショップでファシリテーターとして参加していた劇団アマヤドリの作・演出・主宰の広田淳一さんがこんなことをおっしゃってましたよ。

演出家は、ライザップみたいなことしちゃいけない。結果にコミットしちゃいけない。

どういうことかというと、例えば役者に「ここのセリフで椅子から立ち上がろう」とか「このセリフはもっと怒った表情で言おう」とか、結果を指示しちゃいけない。そういうのは、演出家がやりたい表現を役者が理解した上で役者の方から案だしがあるべき。だから演出家は結果を言うんじゃなくて、「ここで表現したいこと」や「ここで登場人物がどんな気持ちなのか」を役者とすり合わせをするべきなのである。そうするとどんないいことがあるか。

一つは、演技がうまくなる。役者の演技が不自然なのは大体の場合、「役者的にしっくりきてないから」だ。演出が「ここで焦って」と言っても、役者が「ここで焦る理由」を理解してなかったら「焦るフリ」をするしかなくなる。でも役者が自分で考えて「このキャラはここで焦ってるはず」と思いながら焦る演技をしてたら、たぶん何倍もうまくなる。

二つ目は、演出が思いもしなかったいい動きが役者から出るかもしれないこと。演出が「ここでビビってることを表現したいから椅子から立ち上がってくれ」と言った時に、役者がその表現したい感じをよく理解してたら「じゃあ立ち上がるんじゃなくてスマホいじりだすのでもビビってること表現できるくないですか?」とか提案できる。で、演出家は「確かし!採用ぅ!」とか言える。

そこで演出家が「確かし!」って言っちゃうことに関してはなんも問題ない。大切なのは役者に「このシーンは全体の中でどういう意味があるシーンなのか」「登場人物はどういうことを考えているのか」をできるだけ細かく役者とすり合わせすること。ディスカッションして、たくさん話すこと。

「登場人物がどういうことを考えているのか」とかはもう無限に話せる。例えばアマヤドリの広田さんがちらっと言っていたけど、男が女を脅迫するシーンで、「男はどこまで覚悟しているのか」「職を失う覚悟で来ているのか、それとも死ぬことまで覚悟して来ているのか」とか。

え、なにそれ?

そんなことまで、ディスカッションするの?

今までさすがにそんな踏み込んだとこまで考えたことありませんでした。でも想像が及ぶ限りギリギリまで詳しく詳しく考える必要がありますよと。

なんなら、「人の動きには全て意味がありますよ」と。

人が両手を胸の前に持ってきたら「防御姿勢」を表せるかもしれないし、コーヒーカップのマドラーを回したら「退屈」を表せるかもしれないし、つばを飲み込んだら「緊張」を表せるかもしれない。セリフを言う途中で椅子から立ち上がるだけで「戦闘態勢」を表せるかもしれない。

全部の動きに意味があって、それら意味まで役者と共有できると全部の動きが自然になる。だから話し合いが大切。

このワークショップでは数名の演出家が同じ脚本の同じシーンをチームごとで演出して発表しあうんだけど、全部終わった後に質疑応答の時間がある。そこで驚くほどみんな「細かい」質問をするのね。

「なんであそこでずっと抱きしめていたぬいぐるみを机に置いたんですか?」とか。そしたら演出の人がびっくりするくらい詳しく解説してくれるわけよ。ちゃんと狙いがあってやってるわけ。「なんとなくそっちの方がいいかなと思って」とかじゃないわけ!すごくね!?

だから、「よくできてる演出」は、「かっこいい演出」ではなく「意図がある演出」なわけ。これです。

デザインとは何か

で、ここからデザインについて。ぼくはバイトでアシスタントデザイナーを3年ほどやってるんですが、デザインとは何かがだんだんわかってきたヨ!

デザインとは、「『なんでこうなの?』と聞かれて答えられる意図があるかどうか」なわけ。解説するね。

デザインって色々あるよね。グラフィックデザイン、webデザイン、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、ゲームデザインなどなど。街づくりとかもデザインと言ったりするし、「生き方をデザインする」とかいう日本語もなんか存在できちゃうよね。デザインって何にでも使える言葉だよね。

その意味は、ひと言で英和翻訳する感じにはできないんだけど、文章で変換するなら「意図があるようにつくる」ってことなのよ。

例えばマクドナルドの机とかは幅が60センチ以下なんだって。それは「無意識レベルで窮屈を感じる幅」らしいよ。回転率をあげるために早く立ち去ってもらうためにちょっと狭くしてる。これは間違いなく「意図がある」と言えるよね。

もっと細かいこと言えば、いまガストンがいるカフェのメニューに「¥490」という文字が印刷されてるけど、これたぶん「¥」と「490」はフォントが違うのね。

IMG_3751

さらに「¥」の方が「490」よりも一回り小さいのね。こんなの絶対「読みやすいように」わざとやってるよね。例えば素人の人が適当に作ったら同じフォントで「¥490」って打ち込んで、わざわざ「¥」だけ小さくしたりしないよね。

そういう細かいことを、メニューの中のあらゆる文字でやるのがデザイナーの仕事。

さらに言うと、デザイナーの仕事は「かっこよく見せる」ことでもなければ「わかりやすく見せる」ことでもナイよ!!デザイナーの仕事は「目的に対して適切な処置をする」ことだよ!

例えばしまむらとGAPだったら、GAPの方がかっこいいかもしれないけど、それだけで「GAPの方がデザインが優れている」と一概には言えないんだよ!それぞれに「適切なデザイン」ができていればそれでいい。しまむらのお店やwebサイトが明日から急にGAPっぽく「SHIMAMURA」とかになったら、売り上げはガタ落ちするんじゃないですかね。「しまむららしさ」を作り上げた時点でしまむらは偉いんです。きっと。

だからデザイナーとは!
クライアントが会社のイメージをどうしたいのか、どんな商品を、どんな人(ターゲット)に、どう売って、どんな方向に向いたいのかを聞いて、よく理解するのが大事!だからクライアントはデザイナーに「とにかくかっこよくして」とか言っちゃだめだし、もしそうなった時デザイナーは「わかりました」じゃなくて「なんでかっこよくしたいのか?」「かっこよくしたらどういう効果があると思っているのか?」「かっこよくっつっても色々あるけどどんな『かっこよさ』がいいのか?」を聞き出していかないといけない。

まとめ

おけ!無限に話したいけど長いからここまで!もうわかったっしょ!?似てるよね!?

演出は、もはやデザイナーでしょ。演劇をデザインしてると言える。だって演劇なんてセリフを役者が棒立ちで棒読みしても一応できあがるじゃん。デザインにしても、映画のポスターも、別にワードでタイトル打ち込んで画像貼り付けただけの紙面でも載せてる情報は同じじゃん。でもそこに演出家やデザイナーが加わって「意図」を入れることによって、「載せてる情報」は同じでも「伝わる情報」は違ってくるよね。それが演出家やデザイナーの仕事。

これで、ガストンはもし自分が演出やデザインで迷った時どうすればいいのかわかったよ。かっこよさやわかりやすさ、面白さや『上手さ』とは何なのかがわかんなくなったとき、一つの軸として『どれだけ細かいところまで意図できているか』を持てばいいんだよ!

はースッキリ。