PMCの御家族解体おもしろかった!

観劇レビューです。ポップンマッシュルームチキン野郎、といういい感じにふざけてる名前の劇団がいまやってる、「御家族解体」という劇を見てきました!

ポップンマッシュルームチキン野郎 「御家族解体」

完全なコメディで、だいぶコントに近い感じのふざけた(ほめてる)演劇でした。以下、本筋には絡まないちょっとしたネタバレありの感想。

割り切ったコント感が嫌じゃない

これはすごいことです。あのね、演劇とコントの違いってなんだと思う?平田オリザさんが「演劇入門」っていう本で書いてたのは、例えば美術館にやってきた人が、「いや〜やっぱり美術館はいいなあ〜」と言っちゃうのがコント。無言で壁を眺めながらゆっくり歩いたり立ち止まったりして、笑みが漏れたり深いため息をついたりするのが、演劇。つまり、実際はそんなこと言わないけどわかりやすく状況説明しちゃうのがコント、リアルに描くのが演劇、と。なんてわかりやすいんや。ちなみにこの本、マジで演劇興味ない人でもわかる言葉使いで演劇というものについて超わかりやすく書いててオススメ。

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で、おれは「やっぱり美術館はいいなあ〜」とか説明的なセリフ言っちゃうの嫌いな派なんだけど、で、PMCはそういうのガンガンあったんだけど意外と嫌いにならなかった。

これがなんでかっていうと「割り切ってるから」。もうね、幕が上がって数十秒のうちに「あ、この演劇はコントっぽい演出アリなのね」というのが伝わる。割り切ってるのが伝わる。で、かつ、そのコントっぽいやりとりが面白い。だから許せる(何様)。

結局、演劇はコントっぽいかどうかが大事なんじゃなくて、来てくれたお客さんに好かれるかどうかが全てなんだよなあ、と改めて気付かせてくれました。ポスターを見て、実際の演劇見て、あれ、印象違うな、とかはアウトだし、幕が上がってから前半は演劇ぽかったのに後半コントっぽいのとかもアウト。要は、ちゃんとやること通りを期待させた上でそれをやれば、オーケーなんだなと。

コントっぽい演劇は好きじゃないけど、PMCは次回以降も見に行きたいと思いました(←結局こう思わせることが全てや)。

吹原幸太さんまじでツボだった

本作の作・演出・出演をされてる、PMCの主催者、吹原さんがまじでおもろかったです。PMCの中でダントツに打率(おれをツボらせる打率)高かったです。

吹原さんは以前、バンタムクラスステージという別の劇団のイベントに出演されてて、そこでバンタムの主催の細川さんとトークショーされてたんですが、もうその時点で面白かったです。話を聞いてて、ああ、たぶんこの人はおれのツボだ、と思いました。その人がコント・演劇という「期待された上で笑いを提供する」状態でもしっかり笑わせてくれた。これはすごいことです。こういう人に僕はなりたいのです。僕は結構珍しいニッチなツボの持ち主でして、演劇を見ていて、周りは誰も笑っていないのに僕だけ笑っている、という状況が度々起こります。とても恥ずかしいのですが、そういう時に「ああ、この人(役者)と個人的にお友達になりたい」と思うわけです。そして「もっと僕のツボをつついて欲しい」「この人が高校のクラスにいたらきっととても楽しかっただろうな」「高校時代に戻りたいな」「中学生もやり直したいな」「あ、てか初恋をやり直したいな」と思うわけです。初恋はいいものです。話を戻します。

とにかく、僕のツボを掴んだ以上、僕はこれからもPMCに期待していくのです。例えば、お父さん役の吹原さんが、次男の方( 加藤慎吾さん?)とのやりとりで、「気にするな、それはいいんだ、どうでもいい」「どうでもはよくない」「どうでもはよくないな」みたいなのを公演中に3回くらい言ってて、これがもうとってもいい。別に爆笑はしないし口を開けて笑わないんだけど、クスッとくる。にやつく。癖になる。いいよねーあの感じ。

小さなバーみたいなとこでやってた

この演劇は、ちゃんとした劇場ではなく、バーでやってました。とはいっても、飲み食いしている人がいる部屋の隅っこでやるわけではなく、ちゃんと部屋の半分ぐらいが舞台、もう半分が客席なんだけど、でも入場者は全員ワンドリンク制でみんな入り口で飲み物を注文する。ソフトドリンクもあるしビール・日本酒もあった。でもバーなので、天井は低く、照明もあまり吊れない。

こういう劇場で観劇するのは初めてだった。照明が吊れないのが残念だけど、でも途中から全く気にならなかった。

ハムは実際に食べて欲しかった

あんまり褒めてるだけでも劇団員さんたちに逆に失礼な気がするので気になったことも書きます。ハム含め、食べ物は本物を用意してぜひ舞台上で実際に食べて欲しかった・・ あの演劇はエネルギッシュです。エネルギー押しな舞台です。大きな声を出して笑いをとって、静かなシーンは全体的に少なく、笑いが起こるのは場が「暑い時」が多い。そんな中で、「マイムで食べてるフリ」は少し冷めてしまう。

ご飯を口にほうばって、もぐもぐして、うまく喋れない。なんなら無理して喋ろうとして米粒がでちゃってもいい。そっちの方が面白いんじゃないかと思った。水を実際に口に含んで他の役者に勢い良く吹きかけて笑いをとるシーンがあるのに、食べ物だけはマイムなのには違和感だった。

どうせマイムでやるなら、作り物であることを活かして、例えば手づかみで焼き魚を食べて「大丈夫、これ発泡スチロールだから」とかボソッと言うとか、そういうメタ的な笑いがあってもいいんじゃないか・・とかとか。

あともう一つ、声が大きいのはいいけど、高すぎてちょっと耳にくるシーンが何個かあった・・です

まあでも本当に見てよかった・・かなり自分がやりたい舞台に近かった。あんな演劇やりたい。ていうか出たい。役者として出たい。PMCが主催するWSとか参加したい。オーディションがあるなら受けたい。完全にハマりました。

御家族解体は5/13までやってるみたいなので、みなさんもぜひぜひ。

ポップンマッシュルームチキン野郎 「御家族解体」

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