『インクに願いを』終了しました

アホロの新作が幕を閉じました。今回は特に思い出深い出来事がたくさんあった。色々と振り返る。

脚本家としての反省

今回、脚本家として少し大人になった。実を明かせばアホロは毎回脚本を直前で変えている。本当によくないことだと思っている。反省して今回は1ヶ月前にほぼ脚本が仕上がっていた。にも関わらず、直前になり通しをすると各部署から不満が溢れだし、結局1週間前に大幅に変更することになった。1ヶ月前に「できた」と思っていたものはやっぱり未完成の代物だった。そのことに気づかなかった。

1ヶ月にできていたものはアホロの掲げる「笑い8割、感動2割」になっていなかった。笑い4割、感動4割ぐらいしかなかった。量として一人前に満たない作品だった。

ガストンはほっとくと感動シーン、シリアスシーンを増やしたがる傾向にある。1ヶ月に出来上がったものはガストン大満足の脚本だった。

でも今までのアホロを見て、あんなのを作りたいと思って入ってくれているメンバーから「アホロっぽくない」「面白くない」と釘を刺された。

アホロはガストンがやりたいことをやる場所ではない。アホロはコンセプトに忠実に、お客さんが求めているものを作る場所であるべきだ。

自分のやりたいことを噛み殺してみんなの求めるものを書こうと思った。

でもそれもまた難しいと思っていた。

一度書いた脚本のダメだと思うところ、いらないと思うシーンをあげていき、そこを書き換える、という作業は一見できそうで、できない。ガストンは少なくとも1文も削れない脚本を書き上げたつもりだから、それをやっちゃうとどうしてもつぎはぎみたいな脚本になる。

でもやったガストン。アホロを守るために脚本家のプライドを殺した。つぎはぎ脚本を書いた。

結果はどうだったか?大成功だ。

メンバーもお客さんも脚本がつぎはぎだとは一言も言わない。伏線回収にはびっくりしたと言ってくれた。脚本が面白いと言ってくれた。

メンバーが通しで「面白い」と判断したシーンはお客さんも笑っていた。アホロのメンバーの大半は演劇初心者だ。アホロの理想のターゲット。彼らの感覚は自分より信じられる、ということが今回証明されたわけだ。悔しいけど、ガストンは沼にハマってたわけだ。

アホロをディズニーランドみたいな団体にしたい。バイトが大半って意味で、だ。これからも演劇初心者をスタッフとして多数呼び込みたい。アホロを一度しか見たことがなくてもいい。むしろそれがベストかもしれない。なんならアホロも演劇自体も見たことなくても大歓迎だ。

同じ劇団員が10人くらい集まって何年も演劇を作っていたら、誰が沼からすくい上げてくれるだろう?「アホロのこと何も知らないくせに通しを見て『面白くない』とバッサリ言ってくれる人」がアホロには必要だし、そういうことが起こりうる空気作りをこれからもしていきたい。

面白いものを量産する団体になりたい

ガストンとしては芸術作品というより商業サービスを作る団体を目指している。小劇場演劇という業界が、ここまでエネルギーも競技人口もいるにも関わらず独りよがりで終わっている原因は、そもそもシステムが独りよがりを増長するようになっていることにある。つまり、作・演出がやりたいことをやっていて客受け最優先に出来ていない。そうしなさいと口うるさく指南するプロデューサーがいない。だから独りよがりになって当然だ。

アホロ新入部員の人たちが今回、十分にプロデューサーとして機能してくれた。あとはこちらベテランサイドがプライドを捨てられるかどうかだ。ベテランは「今度のアホロは一味違う」とか「アホロの新境地」をやりたがるけど、それらは今まで通りの面白さに上乗せする形でなければ許されない。それを今回学んだ。

アホロを見に来れば、ちゃんと値段相応の面白いものが見られる。その約束を果たし続けることが最優先だ。

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