どん底では冒頭より悪い状態になっているか

人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の著者による『荒木飛呂彦の漫画術』という本の中で紹介されている、脚本の黄金曲線があります。

横軸が時系列、縦軸が主人公の状態の良し悪しを表しています。

とてもシンプルでわかりやすく、

      1. 最初は0の状態。
      2. 物語序盤で昇る。
      3. どん底に落ちる。
      4. 最後に極限まで昇る。

を表しています。アクションも、サスペンスも、恋愛ものも、あらゆる物語には抑揚があり、そのどれもが多くの場合このような曲線をなぞっていると言っても過言ではありません。

さて、ここでのポイントの一つは、「どん底では冒頭よりも悪い状態になっている」ことです。

例えば恋愛ものなら、

      1. 恋愛に興味がない。
      2. 恋が芽生える。
      3. 振られて大打撃。
      4. 実ってハッピーエンド。

となり、「3. 振られて大打撃」では『こんなことなら恋愛なんかするんじゃなかった』とさえ思うほどのショックを受けています。つまり「1. 恋愛に興味がない」ときの方がマシ、ということです。

これが、もし序盤の0以下になれなければ途端につまらなくなります。

例えば「昔一回告白してダメだった相手にもう一度告ってもやっぱりダメだった」とか。これは全く面白くないですね。最初の良くない状態に戻っただけです。

どん底では徹底的に落とす。想像しうる最も最悪の状態を目指すくらいがちょうどいいのです。

参考図書: 荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)
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