私は卒制をなめてた

こんにちは!電車とホームの間に住んでいます!嘘です!ガストンです!

私は卒制をなめてた。去年の8月なんかまだ全然自分の卒制の全貌が見えてなかった。「このままじゃやばいかも」と思いつつ、作業速度を速めるわけでもなく、そして思った通りになった。直前に駆け足になって、駆け足は全速力出すもののそもそもスタートが遅れているから理想の完成度にはもはやどうやってもたどり着けない。満足の行っていない完成度で作品を提出する美大生なら誰でも経験のあるあの虚しさを、あろうことか卒制で私は繰り返してしまったのである。失敗談と反省点をまとめる。

卒制は4年間で一番大事な課題

ちょっとお前そこ座れ。よいか。卒制は4年間の集大成じゃ。ただの課題ではないのじゃ。美大を卒業した後のお主は死ぬまで「美大卒業生」のレッテルを貼られることになる。そうすると会社に入ったときや転職したとき、あるいは美大卒の友達と出会ったとき、とにかく人生における様々なポイントで「卒制はなにをやったの?」と聞かれることになる。今のわしがまさにそうじゃが、卒制で満足いくところまでいけるかどうかで、この質問のたびに明るくなるか暗くなるかが決まるのじゃ。卒制に対して自信が持てずに卒業してしまったら毎回この質問が辛いのじゃ。これは本当にでかい。

卒制は4年間の集大成であると肝に銘じるべし。必要以上に銘じるべし。いくら銘じても銘じすぎることはない。

自分が4年間で勉強したこと、学んだこと、美大入ってから今までやってきたこと、その集大成となるものを作れ。おれならもし「今までやってきたことをやるか、新しいことに挑戦するか悩んでいる」と相談されたら迷わず「やってきたことをやったほうがいい」と言う。ある程度のクオリティは保証されなければならない。

また、卒制のような何ヶ月も好きなことに打ち込める期間は今後社会に出たらもうない。一切ない。だから4年間の中で、っていうか一生においてとても貴重な時間である。と言っても現実味はないだろうが、少なくとも、無数の美大卒の社会人たちが「半年ぐらい休みとって好きな制作やれたらなあ」と叶わぬ希望をぼやきながら週5で朝から晩まで会社で働いていることを4年生は念頭に置いておくべきだ。どうだやる気出てきただろういますぐこんなん読まずに作業しちまえ。

そもそも半年以上も一つのものを作り続けること自体がムズイ

やってて楽しくないことはすべきでない。クオリティを保証するためにも自分が最後まで積極的に制作できるものでなくちゃいけない。

そもそも4年間で半年以上かけて一つのものを作るという経験がおれの場合はなかった。

このロングスパンの戦いを計画的に、中だるみすることなく乗り越えることは簡単ではない。自分のモチベーションをうまく維持させるために全力で工夫しなきゃならない。

テーマ選びで迷ったときには迷わず「自分が最後まで頑張れそうな方」を選ぶべし。

さっき、いままでやってきたことをやれと言ったが、それはあくまで使うツールの話だ。映像を作ったことがないなら映像はやるな。冊子を作ったことがないなら冊子はやるな。どうしてもやるなら8月までに卒制関係なくてもいいからなんかの映像作品または冊子作れ。一回経験するだけでだいぶましになると思う。

つまり、「いままでこういうテイストの映像ばっか作ってきたけど、卒制では新しいテイストに挑戦してみようかな」とかは全然アリである。

友達の途中経過には敏感になれ

卒制で最も避けなければならないのは孤独になることである。一人で家で作業してるから学校行かなくておけ、みたいなこと言いながら家で大して作業しない怠け癖のあるお前は黙って学校に通え。そして友達と進捗を共有して、どっちが頑張ってるかにこだわれ。できるだけたくさんの友達の制作を把握せよ。それだけでモチベがあがる。

12月ぐらいになってくるとこれができなくなる。ここまでくるともう誰もが「超絶やる気出てるからほっといてくれ」か「もうオワタ死ぬしかない一人にしてくれ」のどちらかになるので誰も進捗を共有しなくなる。他を見ても焦るか油断するだけなのでメリットがなくなる。

だからそういう空気になるまではやれ。

おれは9月ごろまで卒制順調だった。週一のゼミで発表する途中経過も、他の人より進んでいる自負があった。というか一番進んでると思ってた。でもその後、みんながこもって作業する時期になってあっさり追い抜かれた。完成した卒制のクオリティは誰が見てもゼミの中では下から数えた方が早かった。とても悔しかった。

卒制で最後死ぬほど頑張れる人とそうでない人がいる。最後死ぬほど頑張れる人は卒制展のときにいきなり「なにこれ?」と目を疑いたくなるような、今までの途中経過発表で見たものとはまるで別物のハイクオリティな作品を持ってくる人がいる。お前はどうせそんなハイスペックな人間じゃないんだからいまの段階から周りより頑張れ。

熱くなれるときに熱くなっておけ

おれの、人生において何番目かに大事なこととして、「一日中一つのことだけ考えて熱くなれている一日を死ぬまでに何回できるか」っていうのがある。

フロー状態という言葉がある。心理学者のチクセントミハイさんが1975年に発表したらしい。チクセントミハイのどこにスラッシュ/を入れたらいいのかわからないことはさておき、フロー状態というのは「時間も忘れてめっちゃ何かに没頭して超集中できててマリオで言うところのスター状態。テンテンテテンテンテンテレンテン テンテンテテンテンテンテレンテン」である。

夜の11時から作業開始して、気づいたら朝の6時になってた。まるで眠くない、みたいなのは完全にそれである。美大生ならきっと多くの人が一度は経験してると思う。

このフロー状態になってる夜は最高に楽しい。マジで楽しい。ディズニーランド行くより楽しい。ハワイに行くよりも多分楽しい。お金を払って得られる娯楽よりもずっと尊い。あの夜を死ぬまでに何回できるかでおれの人生の豊かさは測れる気がする。

卒制はいい機会である。4年間の集大成。親がはるばる見に来てくれる人も多いだろう。教授たちの前でいつになく真剣なプレゼンをする場も与えられるだろう。そして制作物は一生残ってお前の「美大の集大成」になる。これほどの舞台が他にあるだろうか。

鉄は熱いうちに打て。おれと同じ轍を踏むな。

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