脚本を書き始める前に

こんにちは!今日も曇天、ガストンです!

完全に自分用メモ。舞台の脚本書くとき、ベースはできた。全体の流れもできた。あとは脚本を書くだけ。ってなった段階で、脚本書き始める前に気をつけなきゃいけないこと。

キャラのインストール

これが一番難しい。コモーディア!のときは脚本上でキャラがちゃんと個性を持ち始めたのは何度も脚本を直した後だった。プロの脚本家はこれがはじめから出来るのかもしれないけどおれはまだ無理。

脚本を書く前に各キャラの性格や生い立ち、趣味、日々考えてることなどをあらかた書き出すのだけど、それをやってもいざ書き始めると、それに沿った喋り方、口調、態度などが書けない。キャラの内面は決めれても、その内面と一緒にいままで何年も生きてきた人がどんな口調で喋るのかはまた別問題として考えなくちゃならない。その両方がしっくり理解できた時、キャラをインストールできた状態と言える。

このときに、モデルを決めるのが割と役立つ。戯曲上でセリフを書きながら、頭の中にあるのはそのセリフを喋ってる自分たち(役者)をイメージするのではなく、モデルとなる俳優をイメージする。自分たちをイメージして書いてるとどうしても全員大学生になってしまう。モデルとなる俳優を、「あの映画のあの役」という風に決めると、少しでもズレた言い回しの違和感に気づくことができる。

ただこのモデルを見つけるのは案外難しい。日頃からたくさんのドラマや映画や演劇を見ていると、これもストックが増える。

キャラは、態度ではなく行動で明確になる

この人はこういう人ですよ、と、観客に登場人物の人間性を理解してもらうことは笑うためにも感動するためにも必要である。人間をよく理解するということは安心感につながり、安心感は笑いと感動につながる。

どうやって「このキャラはこういうキャラですよ」と伝えるかというと、喋り方や態度や歩き方やリアクションの様子で見せるだけでは足りず、行動で見せることが重要である。

「このキャラは、嫌々劇団に参加させられている。不本意である」ということを伝えるためには、「まったく、なぜ私がこんなことをやらねばならんのだ、トホホ」と喋らせるだけでは足りない。「すみませんが、私は参加するつもりはないのです。他をあたってください」と本当に帰ろうとする。その後強引に引き止められて、さらには弱みを握られるなどして、帰るに帰れなくなる。

と、これぐらいはしなくちゃだめなのだ。必死に考えて練りに練られたセリフを、観客は半分も聞いていないと思った方がいい。観客の記憶に残すためには、キャラのセリフに力はなく、キャラの行動に力がある。目標とすべきは、「日本語がわからない外国人」が見ても話の流れがわかるように作るとよい。ディズニー映画の特典映像で誰かが言っていた。「本当に優れたアニメーションは、セリフが一切なくてもストーリーが理解できる」と。だからキャラのリアクションはある程度大げさでいい。口で説明して頭で理解するのではなく、先に行動に移して事を展開させていく。だからリアルな世界よりも、ある程度どのキャラも積極的かつ行動的でよい。

セリフは1文字でも少なく

誰かに、このセリフには何の意味があるの?と聞かれて、「別にない。決しても構わない」と答えられてしまうようなセリフは1文字でも削るべきだ。

セリフには何種類かある。

1 情報を伝えるセリフ
2 キャラを伝えるセリフ
3 笑いをとるセリフ
4 感動させるセリフ
5 1-4をつなぐためのセリフ

たぶんこんな感じ。情報を伝えるセリフは、「大コモーディア祭には国中の人が見に来るんだぞ」など。ここでは大コモーディア祭が大規模な何かしらであることを伝えている。「大コモーディア祭は大規模なんだぞ」とは言わず、自然な言い回しを探る。かつ、ストーリーを把握するために必要な情報を的確に伝えられるようにする。

キャラを伝えるセリフは、キャラの性格や人柄がわかるセリフ。以下のシーンは、コモーディア!での演劇の練習風景。ベテランのパネスと、演劇初心者のソクラテスとクリリン。

パネス「僕たちが急に訳のわからないことをしたらそれはもうアドリブごっこ開始の合図でしょうが!」
ソクラテス「知るか聞いたこともない」
クリリン「自分から聞きに行かなくてすまない!」

ここではソクラテスの不真面目さとクリリンの真面目さが対比の効果も合わさり、よく表現されている。

笑いをとるセリフと感動させるセリフは、文字通り、そういうシーンのセリフのこと。

で、それらを会話として自然につなぐために必要なセリフもある。これを冗長にならせないようにするのがなかなか難しい。本来このつなぎのセリフというのは一文字もないのが望ましい。つなぎのセリフは、言い方ひとつ変えるだけで、キャラを伝えるセリフや笑いをとるセリフに変えることができるからだ。

できるだけ一気に書く

脚本はできるだけ一気にたくさん書いた方がいい。おれはパソコンを打つのが早いので、思いついたセリフを文字に起こすまでのタイムラグが少ない。バンバン思いつくときはバンバン打てる。キャラをインストールできてる状態になると、頭の中でどんどんセリフが浮かんでくる。そのまま頭の中で映像として描く。まるで映像作品を見ている感覚になる。これが一番楽しいし、効率的な書き方だ。このゾーンに入るとアイデアがバンバン思いつくし、そのどれもが自然である。笑えるネタも思いつける。アホロの笑いポイントのほとんどは役者のエチュードで生まれているが、それ以外の、おれが脚本を出した段階から書かれていてそのまま残った笑いは、ほぼ全部このゾーンのおかげで思いついたものだ。ゾーン最高。

以上。頑張る。